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丹有法律事務所は2012年1月に開所しました。開所5周年まであとわずかです。多くの皆様に助けられてここまで来ることができました。

開所5周年を前にして、私は事務所のあり方について検討しています。経営環境が厳しくなるなかで、法律事務所にも常なる革新が求められているからです。

法律事務所には多種多様な仕事があります。比較的楽に収益を増やせる業務もないわけではありません。しかし、私の事務所は「地域への貢献」をヴィジョンに掲げてきました。ですので、もうかる分野だけを広告して収益を増やすようなビジネスモデルを丹有法律事務所が選択することはあり得ません。

地域に存在する多種多様なニーズを掘り起こすのが丹有法律事務所のヴィジョンなのです。事務所でただ待っているだけではなく、「アウトリーチ」と言われる積極的に依頼者の元へ出向く姿勢を心掛けているのもヴィジョンの1つの現れだと考えています。

アウトリーチをさらに拡大する余地はあると私は考えています。以前よりアウトリーチの重要性が認識されていた福祉分野のほか、企業法務の分野でもアウトリーチがもっとできるはずです。そのためには、各分野の支援者や専門家の方々とのつながりをこれまで以上に強固にしなければなりません。

それでは、弁護士とのつながりによってどのようなメリットを得られるのか。先日、購入した本(西内岳他共編「改訂版 Q&A 病院・医院・歯科医院の法律実務」新日本法規)に紛争の予防と早期解決の具体的方法として次のように書いてありました。

「症例毎に、事故発生直後から将来の紛争化への具体的プロセスを想定して、リスクマネージャー、院長、弁護士(顧問など)、医師賠償保険会社(事故報告)と連携を取りながら医事紛争化を未然に予防するための具体的な対策を打つ。」

ポイントは「紛争化を未然に予防するための具体的な対策を打つ」にあります。残念ながら福祉分野でも企業法務分野でも、早期に専門家と協議して紛争化を予防するための具体的な対策を打つ意識が十分ではありません。紛争が激化してしまってから弁護士に依頼するのでは、紛争解決のための費用も時間も大きくなってしまいます。

開所5周年を迎える丹有法律事務所では、一層のアウトリーチによる紛争の未然防止とそのための人的ネットワークの形成に努めたいと私は考えています。

(丹波市 弁護士 馬場民生)