2人の甥っ子から入学試験合格の報告がありました。一人は国立大学の医学部、もう一人は県立の工業高校に入学できることになったのです。私立は家計への負担が重いですので公立校だと助かりますね。

私が大学の入学試験に合格した時、父は大変不機嫌でした。高校三年生になっても部活ばかりしていた私に父は大変不満だったようです。高校三年生の夏休みも部活をしていましたので、父の気持ちもわからないわけではありません。浪人すれば東京大学に合格できると父は考えたようで、内心では私が浪人することを望んでいたのです。
私は当然に合格を喜んでくれると思っていたので、想定外の父の反応に戸惑いました。今でも不機嫌な様子で帰宅してきた父の姿が心に焼き付いています。

臨床心理士の信田さよ子は、子どもの心理について次のように解説しています。
「アタッチメントは「愛情」を表しているのではなく、むしろ危機的場面を切り抜けるために必要な「安心感」を表していることがわかります。つまり、アタッチメントは「親から子どもに与えるもの」(愛情)ではなく、「子どもの側が親に求めるもの」(安心感)なのです。」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59999?page=3

大事なのは「安心感」です。最近、離婚事件の相談者から「面前DVが子どもに悪い影響を与えるのではないか。離婚して安心できる環境で育てた方が子どもにとって良いのではないか。」と相談されることが増えました。相談者のお気持ちはよく理解できます。

お子さんや親戚の子が入学試験に合格したら無条件で褒めてあげてください。祝ってあげてください。安心させてください。子どもにとって、大人達の当たり前の反応がかけがえのない宝物(生きる力)になるのです。
(丹波市 弁護士 馬場民生)